ボーフォール、ダルパージュ、エテ、それぞれのチーズの特徴と言葉の意味をまとめました。

 

この記事を見ているのは、

「ボーフォールチーズってどんなチーズ?」

「エテとかダルパージュとかいまいちわからない」

「作る季節や標高でチーズの何が変わるの?」

と思っている方が多いと思います。

 

この記事では、ボーフォールとそれにまつわる話題をできるだけ分かりやすくまとめています。

まずは目次を見てもらって、知りたい情報が書かれていそうか確かめてみてくださいね。

 

ボーフォールチーズの特徴

 

ボーフォールはフランス東部のサヴォア地方で作られる、大型で硬いチーズです。

指定された産地で作られ、製造方法などについて基準を満たしたチーズが、ボーフォールチーズと呼ばれています。

 

 

産地 原材料 最低熟成期間 大きさ 固形分中の乳脂肪分 
フランスのサヴォワ県 【ボーフォールタン、モーリエンヌ、タランテーズの3つの渓谷】【アルリ渓谷の一部】【オート・サヴォワ県の一部】

無殺菌の牛乳

(タリーヌ種とアボンダンス種の牛から搾乳)

5ヶ月間

直径

35~75cm

高さ

11~16cm

重さ

20~70kg

(平均重量は40~45kg)

48%

 

 

ボーフォールチーズの特徴は、

 

・形状。チーズの中では大型で、側面が凹んでいる。

 

・ハードタイプのチーズであること。チーズ作りの過程で水分をよく切り、ミルクの固形分を濃縮させた硬いチーズに仕上げている。日持ちが良い。

 

・熟成に時間をかけ、うま味や香りを引き出していること。

 

(※比較対象として、カマンベールドノルマンディーは、小型で柔らかな白カビチーズ。最低熟成期間は21日間と短い)

 

・タリーヌ種(タランテーズ種とも呼ばれる)と、アボンダンス種の牛から搾乳したミルクを原料として使用する。

 

 

 

ボーフォールチーズについて、おおまかに済ませるとそれだけですが、チーズの産地や大きさや、硬さについては掘り下げると深い話になってきます。

それらについては後ほどお伝えすることにして、先にボーフォールチーズの種類についてのお話に入りましょう。

 

 

牛を放牧する場所や作る時期によって種類分けされている

 

ボーフォールチーズは、作られる時期や場所によって3つの種類に別れています。

 

ボーフォール(beaufort・・・11月から5月までにかけて作られる

・ボーフォール・デテ(beaufort d ete・・・6月から11月までにかけて作られる

・ボーフォール・シャレ・ダルパージュ(beaufort chalet d alpage・・・6月から10月にかけて、標高1500m以上の高地で自然の牧草を食べさせた牛のミルクで作られる

 

(※フランス語の綴り字記号を省略して表記しています)

 

種類 製造期間 牛の餌 放牧する場所 特徴
ボーフォール 11月から5月 干し草   もっとも穏やかな味になる。チーズの生地は淡い
ボーフォール・デテ 6月から10月 その時期に生えている草  

チーズの生地は黄色くフルーティーな風味。

複数の牛の群れのミルクをブレンドして作る。シャレ・ダルパージュより穏やかな味。

ボーフォール・シャレ・ダルパージュ

 

6月から10月  牛を放牧する場所に生えている野草など ボーフォールデテよりさらに場所が限定される。標高1500m以上の高地 ひとつの牛の群れのミルクをブレンドせずに作る。デテより個性的な味わいになる。

 

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

冬から春にかけて作られるボーフォール

11月から5月までに作られたボーフォールチーズです。

この期間、牛は指定された地域で夏の間に収穫された干し草を与えられています。

牛が食べる干し草の影響で、チーズが淡い麦わらの色になります。

ボーフォールチーズの中ではもっとも穏やかな味わいです。

 

夏に秋にかけて作られるデテ(エテ

ボーフォール・デテ(エテとも呼ばれる)は、6月から10月までに作られます。

この期間、牛は干し草ではなく、夏の草を食べて生活します。

 

カロテンが多い夏の草を食べた牛が原料となるミルクを作っているため、ボーフォール・デテはチーズが黄色く、味わいが豊かです。

 

ミルクは麓の酪農協会に運ばれ、いくつもの牛の群れのミルクがブレンドされて、ボーフォール・デテが作られます。

そのため、牛の群れごとのミルクの個性が弱められ、ボーフォール・シャレ・ダルパージュよりも穏やかな風味のチーズになります。

 

 

牛に高地の野草を食べさせて作るダルパージュ

ボーフォール・シャレ・ダルパージュ(アルパージュとも呼ばれる)は、6月から10月までに作られます。

この期間、ボーフォール・シャレ・ダルパージュの材料となるミルクを出す牛たちは、標高1500m以上の地域で、自然の高山植物や草を食べて暮らします。

 

ミルクは1日2回、【シャレ】という山のチーズ製造小屋に運ばれ、ボーフォール・シャレ・ダルパージュが作られます。

 

1つの牛の群れのミルクをそのまま、他の群れのミルクとブレンドせずにチーズを作ることが、ボーフォール・デテとの違いです。

牛が食べた牧草の影響がチーズの風味にストレートに影響し、ボーフォール・デテより個性的なチーズになります。

 

 

では、ここまでで説明しきれなかった言葉やチーズの豆知識についての話題に入りましょう。

 

用語解説/アルパージュとは

先ほどボーフォール・シャレ・ダルパージュ(beaufort chalet d alpage)についてお話したときに言葉が出てきた、【アルパージュ(alpage)】

アルパージュとは、アルプスの標高の高い放牧場のことを指すほか、夏季にそこで生活する単一の牛の群れのミルクをシャレ(チーズの製造小屋)で加工して作るチーズを指します。

 

 

ボーフォールの小話/生産する場所とチーズの結びつき

 

ボーフォールチーズはフランスの東南部、アルプス山脈にある谷で生産されるチーズです。

 

ボーフォールチーズの生産地の特徴は、厳しい冬と、高い山、そして急な斜面です。この地域で生活する人々は、自然環境を活かして行きていくために、夏の山に生える牧草を利用してチーズを作ってきたと言われています。

 

 

一般的に、山岳地は穀物の生産に向いた平地が少なく、そこで暮らす人々は長く厳しい冬を越すために、日持ちがよく栄養源になるチーズを大量に作る必要がありました。

目的に合わせてチーズの形や製造方法が工夫された結果、水分をよく抜いて硬く仕上げる大きなチーズが作られるようになったそうです。

 

ボーフォールチーズも平均重量が平均重量は40~45kgと大型で、水分をよく抜いて作られるハードタイプのチーズで、山岳地で作られるチーズの特徴を備えています。

 

牛の品種にも生産地の特徴があらわれており、ボーフォールチーズ作りで飼育されるタリーヌ種とアボンダンス種の牛は、気温の変化に強く、急な斜面を移動するのに必要な足腰の強さが特徴です。