お店でのチーズ選びやチーズについての調べごとで見かける、アルファベットの羅列でとまどったことはありませんか。

 

AOC・AOP・PDO・DOP

BOB・gU

PGI・TSG

 

これらの言葉はいずれも、チーズなどの優れた農産物を国が守り、品質を保証する制度をさしています。

 

チーズの名前にこれらの言葉がついていたり、製品のラベルにマークがついていたりする場合。

その意味は大まかに言うと、「制度で決められた品質や製造方法などの条件を満たしていることを、国やEUによって保証されている」ということです。

詳しい保証の内容については、制度によって違いがあります。

 

 

リンゴ1

それぞれの制度について、より詳しくはつづきでまとめました

 

 

 

PDOは日本語にして原産地名称保護。AOP・DOPも言語が違うだけで意味は同じ

 

P.D.O【英:Protectiv Denomination of Origin】とは、日本語に訳して、「原産地名称保護」。

EU(欧州連合)で作られた食品の品質認証制度の名前です。

原産地名称保護は、国によって言語が違うために表記が何種類もあります。

 

フランス A.O.P

スペインやイタリア D.O.P

ドイツ g.U

オランダ B.O.B

 

 

 

EUには、チーズなどの優れた農産物を保護し、消費者に対して食品の品質についての正しい情報を伝えるための制度がいくつかあります。

その中でもP.D.Oは、制度による保護を受けるために満たさなくてはならない条件が厳しくなっています

 

P.D.Oで認証を受けるに必要なのは、

 

製品の名前でうたっている原産地で作られていること。

(たとえば、ロックフォールチーズなら、フランスのロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟でチーズの熟成が行われていること)

決められている通りの伝統的な作り方を守っていること。

その産地がもっている自然条件が製品の品質や風味となってあらわれていること。※

 

など

 

あとからお話するPDOやTSGと比べて、認証条件がよりシビアです。

 

 

 

補足・・・

その産地がもっている自然条件が製品の品質や風味となってあらわれていること。※

 

チーズを例にとってお話します。

原産地とチーズには強い結びつきがあり、チーズを生産する土地の自然条件は、チーズの風味や品質にも影響すると考えられています。

 

山地か平地か、という標高の違い。気候の違い。地質の違い。これらの違いはそこで育つ牧草の種類や状態にあらわれることで、結果的に乳の品質、ひいてはその加工品であるチーズに影響を与えます。

例えば海にほど近いノルマンディー地方で作られるカマンベール・ド・ノルマンディーは、潮風が当たった牧草を食べた牛の乳で作ることで、濃厚な風味が生まれると言われています。

 

また、チーズの形や大きさも作る場所の自然条件に影響を受けます。例えばフランス東部のフランシュ・コンテ地方では、寒さ厳しい冬の保存食を求めて日持ちの良いチーズが必要となり、重さが32~45kgにもなる、大きなコンテチーズが作られるようになりました。

このように、原産地とそこで生まれたチーズには深い結び付きがあります。

 

 

 

PGIは地理的表示保護。PDOとくらべて認証条件が甘い制度。IGPも同じもの

PGIは、日本語に訳すと地理的表示保護となります。

この制度で認証を受けるために必要なのは、

 

製品の名称に地名を使われている地域で作られていること。

(すべての製造過程がその地域で行われていなくて認証される。生産、加工、調整の製造過程の中で、ひとつの過程でもその地域と関係があればOK)

原材料の一部が、指定した地域で生産されたものなら承認が可能。

その生産地らしい特徴を製品が備えている必要はある。

 

 

など。

イタリアとフランスでは、IGPと表記されます。

 

 

TSGは伝統的な製法で作られていることを認証する制度。STGも同じもの

TSGは日本語にすると、伝統的特産品保証となります。

 

この制度で認証されるために必要なのは、

 

製品の名称で地名を使用されている地域で作られていること。

伝統であると認められている原材料と製造方法で、生産されていること。

 

 

など。

 

上記のPDOやTSGよりも認証のために満たさなくてはならない条件が、ゆるやかになっています。

 

イタリアではSTGと表記されます。

 

フランスの食品の品質認証制度。AOCとAOPの違い

AOCとAOPは、農産物の保護や規制を行い、消費者に対しては製品の品質を保証する制度です。

制度の内容や目的は良く似ていますが、AOCはフランスの制度で、AOPはEUの制度です。

AOPは、フランスのAOCやイタリアのDOC制度をもとに作られています。

AOPのほうが、より広い範囲で制度が用いられています。

 

チーズに関しては、AOCはAOPに登録する前段階的な役割を担っています。

まずフランスでAOCに登録された後、EUのAOPに登録を申請しますが、AOPの登録が許可されなかった場合は、AOCの登録も無効となります。

 

 

 

※この記事をかくとき参考にした本

チーズのソムリエになる 著 久保田敬子

チーズの教本 2019 NPO法人チーズプロフェッショナル協会