ダナブルーとゴルゴンゾーラ、ともにカットされた見た目は良く似ていますよね。
どちらも乳白色のチーズに青カビ入り。
名前以外は似ているところが多い、ダナブルーとゴルゴンゾーラ。
違いとして、はっきりしているのは原産地です。
ダナブルーは、デンマークのブルーチーズ。
特徴は、青カビのシャープな刺激。
ブルーチーズの中でも刺激が強いほうです。
ゴルゴンゾーラは、イタリアのブルーチーズ。
青カビの刺激が強めのゴルゴンゾーラ・ピカンテと、マイルドでチーズの生地自体が柔らかなゴルゴンゾーラ・ドルチェがあります。
味や臭いの違いもあると思いますが、それについては話し出すと長い、公式のように割り切れないややこしさがあります。
より詳しくは続きをご覧ください。
ダナブルーとゴルゴンゾーラ、共通点とそれぞれの特徴
ダナブルーとゴルゴンゾーラは、どちらもブルーチーズです。
ブルーチーズの特徴は、チーズにわざと青カビの一種を繁殖させて、カビにチーズの脂肪分を分解させることで、風味のもとになる成分を作り出していること。
ブルーチーズは、世界の複数の国々で作られています。
フランス、イタリア、デンマーク、イギリス、ドイツ・・・
国によってチーズの原料を出してくれる家畜の品種や、自然条件などのチーズ作りを取り巻く環境が違うため、出来上がるチーズには産地ごとに個性があると言われています。
では、ダナブルーとゴルゴンゾーラの特徴を見てみましょう。
チーズの名前 | 産地 | 由来 | 特徴 |
ダナブルー | デンマーク | フランスのロックフォールチーズを手本に作られ、混同を避けるために、「ダナブルー」「ダニッシュブルー」と名前がついた。 |
青カビの鋭い刺激が強め。 手本となったロックフォールチーズ※と比べると、クセがない。
安定した品質で、長い期間の保存や輸送が可能。 |
ゴルゴンゾーラ | イタリア |
イタリアのゴルゴンゾーラ村で生まれたチーズ。村の名前がチーズの名前の由来。
|
ゴルゴンゾーラピカンテは、チーズの生地が固くてもろく、刺激が強い風味。
ゴルゴンゾーラドルチェは、柔らかくピカンテよりやさしい風味。 |
※ロックフォールチーズは、フランスで作られるブルーチーズ。
羊の乳を原料としているため、牛乳で作るチーズにはない風味がある。
このように、ダナブルーとゴルゴンゾーラの最も分かりやすい違いは、原産地です。
味の違いについては、やや複雑なお話になってきます。
味やにおいはチーズの種類だけでなく、保管状況やチーズの状態で変わるもの
ダナブルーとゴルゴンゾーラの味の違いは、この記事ではなんともいえません。
多くのチーズはデリケートな食べ物です。
輸送中や販売店での品質管理によって、良い状態のチーズにも、状態が悪く苦味などの不快な味がするチーズにもなります。
購入するお店や鮮度が違えば、消費者が手にするチーズの味が違う可能性があるということです。
そのため、ダナブルーなら、またはゴルゴンゾーラなら、必ずこんな味!
というのが言えません。これでははっきりした比較はできませんよね。
お買物前でどちらを買おうか迷ったら
・カビの刺激がマイルドなチーズを探しているときは、ゴルゴンゾーラ・ドルチェ
・ピリッとした鋭い刺激と塩辛さを求めているときは、ダナブルー
どちらを買うにしても、できれば試食したほうが安全です。
特に初挑戦だと、予想外の味で食べ方に困る方もいるようですから、試食は大事。
もし試せないならできるだけ小さなパッケージでどうぞ。
カビが茶色く変色していたり、チーズの生地が乳白色ではなく黄ばんでいるものは、避けたほうが無難です。
良さそうなダナブルー・ゴルゴンゾーラがなかったら、そのお店での購入を見送って、別のお店で探したほうがいいかもしれません。
※この記事を書く時参考にした本
チーズのソムリエになる 著 久保田 敬子
チーズの教本2019 NPO法人チーズプロフェッショナル協会