ハードチーズとセミハードチーズの違いとは?

 

 

すっきり解消していってもらえると良いのですが、ハードチーズとセミハードチーズの違いについて、全世界・全国で共通する答えというのは、ないようです。

(2019年2月13日、記事を書く際使用した資料が発行された時点での状況です)

 

 

ハードチーズやセミハードチーズやフレッシュタイプ、といったチーズの分類方法は、世界共通で決まったものがあるわけではなく、国によっては独自の分類方法を使っているところもあります。

 

そのため、どのチーズがハードタイプで、どのチーズがセミハードタイプに分類されているかというのは、お店やサイトによって違いがあるかもしれません。

 

 

当てはまらない場合があるかもしれませんが、ここでは一応の答えとして、チーズの製造方法によって、セミハードチーズとハードチーズを分ける考え方をふたつ、紹介します。

 

 

 

ハードチーズ・・・加熱圧搾タイプ。チーズ造りの途中で生地を53℃以上の加熱によって日持ちを良くするとともに、より水分を抜けやすくして作ったチーズ。

 

セミハードチーズ・・・非加熱圧搾タイプ。水分をよく切って固めに仕上げるが、加熱温度が低かったり、加熱しなかったりして加熱圧搾タイプより水分が多く残る。熟成期間も短めの傾向があり、柔らかめ。

 

※参考にした資料

チーズのソムリエになる 著 久保田 敬子

 

 

硬質~超硬質熟成・・・加熱圧搾タイプ。チーズ造りの途中で生地を40℃以上に加熱する。

 

半硬質~硬質熟成・・・非加熱圧搾タイプ。チーズ造りの途中で生地を40℃以上に加熱しない。

 

※参考にした資料

チーズの教本2019 NPO法人チーズプロフェッショナル協会

【C.P.Aによるナチュラルチーズの6分類】より

 

 

このように、ハードチーズとセミハードチーズの境目をどこに置くかは、国内でもはっきりとは定まっていないようです。

フランスでも、加熱圧搾と非加熱圧搾に加えて、半加熱圧搾という中間的なチーズが存在しています。

 

そのため、ハードチーズとセミハードチーズの違いについては、人によって言うことが違うこともあると思ってもらうほうが、正確だと思います。

 

チーズの分類や製造方法、ハードチーズとセミハードチーズにはそれぞれどのようなチーズがあるか、より詳しい情報は続きをご覧ください。

 

この記事では仮に、加熱圧搾タイプをハードチーズ、非加熱圧搾タイプや加熱温度が53℃に満たないチーズを、セミハードチーズと呼んでいます。

 

 

ハードチーズとセミハードチーズの製造方法

 

ハードチーズとセミハードチーズは、どちらもチーズ作りの工程で生地の水分

をしっかり切り、水分が少ない硬めのチーズに仕上げることが特徴です。

 

チーズを作るときには、原料となるミルクを酵素や乳酸菌によってカード(固形分)とホエイ(水分を多量に含む液体)に分け、ホエイを取り除いてカードを取り出します。

 

ハードやセミハードと呼ばれるチーズの多くは、カードを型に詰めて形作るときに、プレスして水分をしっかり抜いて、固いチーズに仕上げます。

 

ハードチーズとセミハードチーズには、水気を切って硬く仕上げるという共通点がある一方で、どの程度水分を残すかによって完成品の硬さに違いが出てきます。

 

完成したチーズの硬さに影響するのが、加熱温度です。

 

加熱圧搾タイプといって、カードを加熱(フランスの規定では53℃以上)して作るチーズは、加熱によってチーズの日持ちがより良くなると同時、カードからホエーが抜けやすくなるため、加熱しなかったり、加熱温度が低いチーズより、水分が少なく硬いチーズが仕上がります。

以上のことから、加熱圧搾タイプは日本でハードチーズとも呼ばれます。

 

いっぽう非加熱圧搾タイプと言って、カードを加熱する工程がなかったり、加熱温度が低かったりするチーズは、加熱圧搾タイプと比べて多くチーズに水分が残り、柔らかめのチーズになります。

以上のことから、非加熱圧搾タイプは日本でセミハードチーズとも呼ばれます。

 

とはいえ、チーズは熟成期間によっても硬さが変化し、加熱するか、しないかだけで硬さの違いが生まれるわけではありません。

 

たとえば非加熱圧搾タイプのひとつ、ゴーダチーズは長期間熟成によってうま味とともに硬さもましてきます。

 

やはり、セミハードチーズやハードチーズといった分け方は、あいまいさが残るようです。

 

ハード・セミハード・こんなに違いがわかりにくい分類はどこで生まれたのか

 

日本で使われているハードタイプ・セミハードタイプといったチーズの分類方法は、チーズアンドワインアカデミー東京がテキストに書いたのが始まりです。

 

チーズ&ワインアカデミー東京が始めた分類では、ナチュラルチーズを7種類に分類しています。

 

非熟成(フレッシュ)タイプ

白カビタイプ

ウォッシュタイプ

シェーブルタイプ

青カビタイプ

セミハードタイプ

ハードタイプ

 

 

これは日本独自に作られたものでなく、フランスでのチーズの分類方法をベースにしていると考えられています。

 

この分類方法は簡潔で一般の消費者にも分かりやすく、日本で主流になっていますが、日本で扱われるチーズの種類が増え、さまざまな国、さまざまなタイプのチーズが増えてきて、この分類方法に当てはめられないチーズも増えてきています。