イタリアチーズの特徴と歴史

イタリアのチーズの特徴は、歴史が長いこと

イタリア中部や南部で羊や山羊のチーズが多いこと。

北部では牛乳で作る大型で硬く日持ちが良いチーズが多いこと。

 

これらのイタリアのチーズの特徴は、イタリアの地形や気候と関わっています。

 

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イタリアのチーズの特徴や歴史について、さらにくわしくは続きをご覧ください。

 

イタリアチーズの歴史

 

イタリアのチーズ作りの歴史は長く、紀元前3000年ごろにはチーズ作りが始まっていたようです。

イタリアでは紀元前3000年頃作られたと見られる、陶器製のチーズ作りの道具が発見されています。

 

その他、紀元後77年の文献『博物誌(著・プリニウス)』に、イタリアの山間地で作られている大きなチーズについての記録が残されており、ペコリーノ・ロマーノチーズの原型ではないかと考えられています。

 

イタリアチーズの特徴と歴史

 

このように、イタリアのチーズ作りの歴史は長いのですが、チーズ自体の歴史はさらに長く、チーズの起源は紀元前6000年以上まえにさかのぼると考えられています。

 

チーズ作りの歴史は西アジアのメソポタミアで始まったと考えられています。

西アジアでのチーズ作りは、紀元前6000年ごろには始まっており、その後いくつかのルートに分かれて周辺の地域に伝わりました。

 

イタリアへは、西アジアで発生したチーズ作りが、地中海沿いのルートで伝わってきたと考えられています。

 

 

チーズ作りはイタリアに伝わった後、イタリアの地形や気候の影響を受けて発展していきました。

 

イタリアチーズの特徴と歴史

 

イタリアのチーズづくりに影響を与えたのは、

 

 

  • イタリア北部のアルプス山脈
  • イタリアの国土を縦断するアペニン山脈
  • イタリア中部、南部の温暖で夏に乾燥する気候
  • 塩を運ぶルートがローマ帝国があった時代から確立されていたこと

 

など

 

 

これらのイタリアの気候風土の特徴は、「イタリア北部で硬く大きなチーズが多い」「イタリアの中部や南部で山羊や羊のチーズが多い」という、イタリアチーズの特徴と結びついています。

 

また、イタリアで塩を運ぶルートが古くから確立されていたことは、ペコリーノロマーノやパルミジャーノ・レッジャーノといった、作るために大量の塩を必要とするチーズ作りに役立ちました。

 

ペコリーノ・ロマーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、ともにイタリアで作られる大型のチーズです。

大きなチーズに均一に塩分を行き渡らせるには、チーズを大量の飽和食塩水に漬ける方法が最も適しており、たくさんの塩を必要とします。

 

イタリア北部のチーズの特徴

 

イタリアチーズの特徴と歴史

イタリア北部のチーズの特徴は、

 

  • 山岳地帯で、フォンティーナなどの、大型で日持ちの良いいわゆる「山のチーズ」が多く作られている。
  • 山の麓でゴルゴンゾーラやタレッジョなどの、比較的小さく柔らかいチーズが多く作られている。

 

イタリア北部は、標高4000m級の山々がつらなるアルプス山脈、そのふもと、平野部に分かれています。

気候は温暖で雨も多く緑にめぐまれていることが特徴です。

このことは、中部、南部の厳しい夏の暑さと乾燥しがちな気候とは対照的です。

 

イタリア北部で作られるチーズの種類の一部

 

チーズの種類 特徴
フォンティーナ

スイスとの国境近くのイタリア、ヴァッレ・ダオスタ州で作られるチーズ。直径35センチメートルから45センチメートルと大型。チーズ作りで水分をよく切り、硬く日持ちするチーズに仕上げていることが特徴。牛乳で作られる。

 

ゴルゴンゾーラ

牛乳で作る青カビチーズ。イタリアのピエモンテ州とロンバルディア州で作られる。秋に牛の群れをアルプスから降ろしてくるときに通る、ゴルゴンゾーラ村で生まれた。

 

タレッジョ

牛乳で作るウォッシュチーズ。ウォッシュチーズの中では控えめなにおいが特徴。夏季にアルプスで放牧されていた牛を、冬になるまえに人里に戻す途中、余った牛乳を保存するために作られた。イタリアのピエモンテ州、ロンバルディア州、ヴェネト州で作られる。

 

パルミジャーノ・レッジャーノ

牛乳で作るハードチーズ。イタリアのエミリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州で作られる。直径35センチメートルから45センチメートル、重さは最低でも30キログラムと大型で、熟成期間が最低12ヶ月と長いことが特徴。味の特徴は、ジャリジャリとした食感と濃い旨味。

 

グラナパダーノ

牛乳で作るハードチーズ。直径35センチメートルから45センチメートル、重さは24キログラムから40キログラム。パルミジャーノ・レッジャーノと似ているが、より広い地域で作られ、熟成期間が短いことが特徴。

 

 

 

 

イタリア中部と南部のチーズの特徴

イタリアチーズの特徴と歴史

イタリア中部、南部のチーズの特徴は、

 

  • 乾燥した気候の影響で、ペコリーノロマーノなど、山羊や羊のチーズが多く作られていること
  • モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナなど、一部の地域で水牛のミルクを使ったチーズが作られていること

 

イタリア半島、サルデーニャ島、シチリア島からなるイタリア中部・南部の特徴は、地形が山がちなこと、気候が乾燥しがちで夏の暑さが厳しいことです。

 

そのため牛を飼うよりも、牛と比べて乾燥に強い羊や山羊を飼うほうが向いており、チーズも山羊や羊のミルクから作るものが多く見られます。

 

また、一部の地域では水牛が飼われており、水牛のミルクがもつ性質の都合で、独特のチーズの製法が行われています。

 

イタリア中部・南部で作られるチーズの種類の一部

 

チーズの種類 特徴
ペコリーノ・ロマーノ

羊のミルクでつくるハードチーズ。イタリアのラツィオ州、サルデーニャ州、トスカーナ州で作られる。強い塩味が特徴。

 

モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ

水牛のミルクからつくるモッツァレラチーズ。カンパーニャ州、ラツィオ州、プーリア州、モリーゼ州で作られる。「パスタフィラータ」と呼ばれる製法が特徴。水牛のミルクは牛や羊のミルクと同じ製法ではうまくチーズが作れないため、モッツァレラチーズ独特の製法が生まれたと考えられている。

 

リコッタ・ロマーナ 羊のミルクのホエイと全量の15パーセント以内の羊の全乳からつくるチーズ。牛乳で作るリコッタチーズより色が白く、甘みがあることが特徴。イタリアのラツィオ州で作られる。

 

 

参考文献※

チーズの教本2019 NPO法人チーズプロフェッショナル協会

チーズのソムリエになる 基礎から学ぶチーズサービスの仕事 著 久保田 敬子