パンチェッタとベーコンと生ハム、まぎらわしい違いについて。参考文献紹介つきで情報の根拠が分かる記事をまとめたよ。
パンチェッタとベーコンと生ハム、違いで迷いませんか。
どれもお肉の加工品。見た目が似てたり名前がどれも日本語じゃなくてわかりにくかったり……
まぎらわしいと、私は思います。
そこで、パンチェッタとベーコンと生ハムを取寄せて、違いをまとめました。
プロのレシピ本や食材図鑑、参考にした本も紹介。グアンチャーレについてもふれています。

代用するときの注意もまとめています。スッキリしていってくださいね♪
目次
【一覧表】パンチェッタとベーコンと生ハムの違い
名前 | つづり | 言語 | 特徴 |
パンチェッタ | pancetta | イタリア語 | 燻製していない豚バラ肉の塩漬け。パンチェッタアッフミカータと名前がついていたら、燻製されている。 |
ベーコン | bacon | 英語 | 豚バラ肉を塩漬け、熟成させ燻煙したもの。 加熱済みの製品が多く販売されているが、本来加熱せずに作る。 |
生ハム | 生 ham | 日本語と英語の混合 | 日本では、豚の塊肉を塩漬け、燻煙するものがハム。加熱しないハムを生ハムと呼ぶ。 |
表で見てもらったように、パンチェッタとベーコンと生ハムは、製造方法や使用する部位、言語が違います。
上記一覧表を作る時に参考にした本※
完全改訂版 マルシェ 食材大図鑑 辻調理師専門学校監修 講談社
イタリア料理基本用語 辻調理師専門学校監修 近藤乃里子 合田達子 正戸あゆみ 著

これだけで話済んじゃったかもです。より詳しくは続きを読んでみてくださいね♪
パンチェッタとは豚バラ肉の塩漬けのこと
パンチェッタ(pancetta)とは、意味は2通り。
1・豚や子牛のバラ肉(三枚肉、腹部の肉)
2・豚バラ肉の塩漬け
イタリアンシェフによるレシピ本でも、パンチェッタは豚肉の塩漬けとなっています。
※レシピ本のタイトル
定番料理をもっとみがこう イタリア料理の基本講座 「ラ・ベットラ」落合 務
パンチェッタとは豚バラ肉の塩漬けですが、中には燻製してるパンチェッタもあります。
【パンチェッタの種類】燻製してるタイプもあるよ
名前 | つづり | 特徴 |
パンチェッタ | pancetta | 豚バラ肉の塩漬け |
パンチェッタ アッフミカータ | pancetta affumicata | 燻製したパンチェッタ |
※パンチェッタについて調べるとき参考にした本
イタリア料理基本用語 辻調理師専門学校監修 近藤乃里子 合田達子 正戸あゆみ 著

燻製してるかしてないかがパンチェッタとベーコンの違いになってるのに、燻製してるパンチェッタもあるってまぎらわしいったら……ご購入の際は製品ごとの名称と説明をお確かめください♪
パンチェッタとベーコンの味の違いを食べ比べたよ
ここで、記事の最初で見てもらった写真を思い出してください。
写っていたのは、成城石井で購入したベーコン・パンチェッタ・生ハムです。
まずはベーコンとパンチェッタを比較してみます。
パッケージを破ってぶつ切りにしたところ。
左・パンチェッタ。脂身が白いまま。
右・ベーコン。燻製して脂身が茶色くなってます。
次の写真は、切ったところ。
左・パンチェッタ。生肉っぽい赤みと透明感。
右・ベーコン。加熱して白っぽくなった感じ。
次の写真が、焼いてみたところ。
左・パンチェッタ。そのままでは塩辛く、料理の素材にして旨味が出そうな感じ。
右・ベーコン。パンチェッタと似ているが、燻製の風味がある。
もっと明らかに違うかなって想像していたら、私は黙って出されたら気づかないかもしれないくらいの違いでした。

味覚が敏感な方は、明らかに違うって気づくと思います。私はボーッとして食べてたら気づかないかも。
※ベーコンもパンチェッタも製品によって味に違いがあるため、すべてのベーコンとパンチェッタに当てはまる結果ではないことをご了承ください。
パンチェッタと生ハムの違いを比べたよ
次は、パンチェッタと生ハムを比べてみます。
生ハムは、成城石井で購入。【ハモンセラーノレゼルヴァ14ヶ月熟成200グラム】(スペインの生ハム)
以下は並べたところ。ハモンセラーノのほうが、赤身が多いのが伝わるでしょうか。
左・パンチェッタ。層状に脂身が入っている。豚バラ肉らしい外観。
右・生ハム・ハモンセラーノ。赤身が多く脂身は網目や筋のように入っている。

パンチェッタを生で食べるのが怖かったので、食レポは省略。この記事での比較の結論は、脂身の入り方が違う、です。
ちなみにパンチェッタは豚のバラ肉の塩漬けですが、生ハムは豚のさまざまな部位で作ります。
パンチェッタに使われる部位 | バラ肉 |
生ハムに使われる部位 | もも肉 かた肉 ロース |
※上記の表は、以下にタイトルを記している本で確認した範囲での情報です。
完全改訂版 マルシェ 食材大図鑑 辻調理師専門学校監修 講談社
イタリア料理基本用語 辻調理師専門学校監修 近藤乃里子 合田達子 正戸あゆみ 著
グアンチャーレとパンチェッタの違い
パンチェッタ、ベーコン、ときたらもうひとつ、グアンチャーレも見た目や用途が似ている食材です。
何が違うのかな、って思われていたら、まずはこちらの表をごらんください。
名前 | つづり | 言語 | 特徴 |
パンチェッタ | pancetta | イタリア語 | 豚バラ肉の塩漬け。 |
グアンチャーレ | guanciale | イタリア語 | 豚の頬肉、または豚の頬肉の塩漬け。 |
パンチェッタとグアンチャーレは、どちらも豚肉の塩漬けをさしています。
違いは、使用する部位。
パンチェッタがバラ肉を使うのに対して、グアンチャーレはほほの肉を使います。
豚の頬肉は、脂肪が多いことが特徴です。
※グアンチャーレとパンチェッタについて参考にした本
完全改訂版 マルシェ 食材大図鑑 辻調理師専門学校監修 講談社
イタリア料理基本用語 辻調理師専門学校監修 近藤乃里子 合田達子 正戸あゆみ 著

パンチェッタと、まぎらわしい食品の違いについてはここまで。今度は料理してて困ってる方へ向けての実践的知識です!
パンチェッタをベーコンで代用するときの注意
さきほど紹介したように、パンチェッタは豚バラ肉の塩漬け。ベーコンは燻製です。
パンチェッタをベーコンで代用する時は、パンチェッタにはない燻製風味が料理に加わると思ってください。
※参考にした本
別冊家庭画報 人気のイタリアン・2 一流シェフが手ほどきするパスタ&ピッツァ

じゃあパンチェッタを用意するか。といったら「高いし売ってるお店が近くにないし、やだなあ」な、方もいると思います。ベーコンで代用するなら元のレシピと違うものになるって、割り切った上でお料理お楽しみください♪
どうしても買うのが嫌な時は手作りになると思いますが、パンチェッタを手作りするなら衛生管理に気をつけて。

この記事では手作りパンチェッタのレシピは省略。豚肉の扱いの注意点をまとめます。
手作りパンチェッタで食中毒が心配なら生食はやめておこう
パンチェッタの中には、最低熟成期間4ヶ月、じっくり旨味を出す製品もあります。
そう言われたら、「塩は防腐作用があるし、豚肉も日持ちするんだな」
私は思っちゃうんですが、豚肉は本来いたみやすい食品です。
豚肉は牛肉と比べて日持ちせず、細菌のせいでコンディションが悪くなるのが早いお肉。
ウイルス感染などの危険があるため、飲食店では豚の生肉や生の内蔵の提供はダメなことになっています。
家庭でも、食中毒予防のために、新鮮な豚肉をしっかり加熱して食べるほうがオススメです。

おいしいはずのパンチェッタで食あたりなんて、考えただけでヤなもんです。生で食べるのはやめたほうが無難ですよー。
※豚肉の取り扱いについて参考にした本
完全改訂版 マルシェ 食材大図鑑 辻調理師専門学校監修 講談社
パンチェッタを【簡単に代用】するならお家で作る豚の甘塩漬け
長期間熟成で本格的なパンチェッタを手作りするのは、衛生管理、食中毒予防の面で、簡単とは言えません。
パンチェッタが手に入らない時は、代用品としてハーブや燻製風味がきつくないベーコンが使いやすいと思います。
代用に使えそうなベーコンの心あたりがないときは、手作りもできます。
パンチェッタの代用方法としては、プティ・サレ(塩分少なめの塩漬け)が、簡単でオススメです。
こちらの写真は、お塩をすりこみ3日寝かせた豚の塩漬け。
たった3日でも塩が染みて、旨味が増して感じられます。
ちなみに、塩の濃度は豚バラ肉の1.2パーセント。

勝手にレシピの転載・ダメ・ぜったい。よって詳しくはこちらのレシピ本でお確かめください。デザートからお肉の下ごしらえ、いろんなレシピがのっていて、中古なら安くなっててお買い得です♪
・塩抜きする手間なしで楽。
・しっとり仕上がって、パンチェッタの代用以外でも色んな料理に使えます。
豚のあま塩漬けのレシピ掲載のレシピ本はこちら。
この写真は、さきほどの豚の塩漬け肉を焼いたところ。
色をキレイに見せる添加物が入らないため、色は茶色く地味。
だから、余計なものを入れない味をおうちで楽しめます。

代用するなら元レシピとは別物と割り切ってくださいね♪ 好奇心旺盛な方、本格志向の方はぜひパンチェッタをどうぞ。使いみちが広くて、日常のお料理で使えますよ。
パンチェッタの使い方・簡単な食べ方
パンチェッタはベーコンと似た感覚で使えます。
塩辛い製品があるので、料理に使う時は手元のパンチェッタの味を確かめて、塩を加減してください。
【カルボナーラ】

写真のはあまり上手にできてないです。そのため、レシピは省略。後ほどわかりやすくまとまったレシピ本を紹介するので、カルボナーラが上手に作れない時にチェックしてみてくださいね♪
【グラタン】
ベーコンのように、いつものレシピのグラタンに使っても違和感がありませんでした。
【パンチェッタエッグ】
厚さ2ミリほどに切ったパンチェッタをフライパンで焼き、軽い焦げ目をつける。脂がしみ出したら、フライパンに卵を割り入れ目玉焼きを作る。

そのまんまベーコンエッグ。かと思いきや、スーパーの薄切りベーコンより厚みと噛みごたえがあります。パンチェッタの塩気が卵に合うー! 朝ごはんのパンのお供にどうぞ♪
【パンチェッタとお芋のソテー】
【材料と下準備】
パンチェッタ 30グラム …厚さ2~3ミリに切る。
さつまいも(またはじゃがいも) 100グラム…蒸すかレンジにかけるかして、そのまま食べられるくらい柔らかくしておく。1センチくらいの厚さに切る。
オリーブオイル 小さじ1
塩 適量 …仕上げに味を整えるため。パンチェッタが塩辛かったら使わなくても美味しい。
【作り方】
オリーブオイルをしいたフライパンにパンチェッタとお芋を並べ、中火にかける。
パンチェッタをこんがり焼いて脂を出しながら、お芋にも焼き目をつける。
パンチェッタとおいも、どちらにも美味しそうな焼色がついたらできあがり。

お好みでローズマリーやにんにくなどで香りをつけてもいい感じです。パンチェッタの味がお芋にうつって満足感がありますよ♪
パンチェッタの塩気がキツすぎたら
手元にあるパンチェッタがしょっぱいときは、細かく刻んでスープの旨味を出すのに使えます。
今回試したのはクラムチャウダー風。
パンチェッタから出た酸味が牛乳を入れると目立たなくなり、固形コンソメを入れなくても旨味があるスープになりました。

今回買ったパンチェッタは、分厚く切って焼くと塩気が抜けず、しょっぱい料理になりました。スープなら塩抜きのついでに旨味も出て一石二鳥です。美味しく使ってくださいね♪
※【シェフのレシピ】カルボナーラのレシピを掲載している本
分量や使用する材料だけではない、火加減や美味しく作るためのコツがまとめられています。教科書のように簡潔にまとめられていて、実用性が高い一冊です。
ほんと……趣味で長年やってた者の実感として、レシピにお金を使えると、失敗が減って快適ですよ!
【最後に】
この記事ではパンチェッタと、ベーコン、生ハム、グアンチャーレの違いについてまとめました。
何冊かの本をパソコンの横に広げてコツコツ確認した情報が、疑問の解消に役立てばうれしく思います。
しっかり読んでもらった方なら、薄々感じているかもですが、「ベーコンとパンチェッタアッフミカータって、大雑把にいったら製造方法似てるよね。言語と名前の違い以外何が」……私は思ってます。
調べても結局まぎらわしい、パンチェッタとベーコン。
本格レシピを再現したり、お買い物をしたりする時は、必ずレシピで使用している材料と、購入する予定のパンチェッタの説明を確かめてくださいね。