トワイニングのダージリンがまずい、と検索してこの記事にたどり着いた方は、多くが
「美味しく飲んでいるんだけど、まずいと言われているようで自分の味覚を疑っている」
「日本で流通しているトワイニングのダージリンはまずい。イギリスのトワイニング紅茶のほうが美味しい」
「比較する対象は知らないのだけど、何気なく買ったトワイニングのダージリンが渋かったりして、まずい」
「飲んでみようと思ったらまずいと言われていて買おうかどうか迷っている」
どれかに当てはまると思います。
もっといえば、
ドワイニングのダージリンがまずいと同意している意見を探している。またはまずくないと同意している意見を探している
トワイニングのダージリンが、ほんとうにまずいのか飲む前に確かめたい
美味しい紅茶を飲みたい
どれかかではないでしょうか。
それについて、ここでお伝えしたい意見は3つ。
まずいと同意している意見を探している。またはまずくないと同意している意見を探している
→あなたにとってその紅茶がまずい(またはおいしい)なら、それで正解です。
人から文句を言われたり、味覚がおかしいといわれても気にすることはありません。
お気に入りの紅茶で楽しいティータイムをお過ごしください^^
ほんとうにまずいのか確かめたい
→試してもらうのいちばん確実だと思います。
そのときは、ぜったいおいしいとは言えないので、万が一まずくても納得できる予算でお試しください。
美味しい紅茶を飲みたい
→美味しい紅茶を飲むには茶葉選びはもちろん、飲み方や慣れの問題もあります。
買った紅茶がまずかったときは、茶葉の量やお湯の温度など、入れ方を変えると美味しく飲めるかもしれません。
どうしても茶葉がおいしくないときは、他のメーカーや他の産地の茶葉をお試しください。
私が紅茶初心者だったときおすすめしてもらいたかった紅茶を90種類ちょっと飲んで選んでみた
全然参考にならない。
って思われるのも仕方がないかと思いながら書いています。
このような、いい加減とも思える答えになるには理由があります。
目次
トワイニングのダージリンがまずい?その理由はコレかもしれません
トワイニングのダージリンがまずいと感じる理由は、様々あると思います。
・イギリスで流通しているトワイニング紅茶のほうが美味しい。日本で販売されているトワイニングは茶葉の質はもしちろん、ティーバックの内容量が少ないのも不満!
・苦い、渋い、それだけの紅茶に思える。香りも乏しい
など、人によってまずいと感じるポイントは違うと思いますが、そのどれでも正解です。
まずいと感じたら、無理に飲むことはありません。
こう、投げやりともとれそうな意見になるのは、おいしいとまずいを分ける基準が人それぞれだからです。
飲食物の味の評価は、個人的で主観的な部分が大きい
ここからしばらく、味覚についてマニアックなお話になります。
人が感じる美味しさは、大きく分けて2つあります。
・本能的に感じる美味しさ
・学習や経験によって感じる美味しさ
まずは、本能的に感じる美味しさについて。
人はその時々で、必要としている成分を美味しいと感じ、生きていく上で危険な成分はまずいと感じます。
例
ダイエット中など、エネルギー源が足りないとき、体が糖分を欲している
→甘い食べ物を美味しく感じる。逆にエネルギーが十分満たされた環境では、甘みは最も美味しい味ではなくなる場合がある。
汗をかいて水分と塩分が体から逃げたとき、水分と塩分を欲している
→水やしょっぱいものを美味しく感じる
体がタンパク質を必要としている
→うまみはアミノ酸やタンパク質を含んでいることを知らせる味なので、美味しく感じる
苦味はアルカロイドなどの、体に強い影響を与える警戒が必要な味
→食べ物について学習をつむ前の乳幼児は特に、苦味を嫌う。(ただし、食べ慣れたり、安全という情報を手に入れたりして、好むようになる場合もある。例はコーヒーや紅茶の苦味)
このように、体が生きていくために必要としている成分を美味しいと感じ、警戒が必要な成分をまずいと感じるのは、多くの人に共通しています。
いっぽうで、人によって好みが分かれやすいのが、
学習や経験によって感じる美味しさです。
人は本能的にはまずいと感じる味を、慣れたり、これは安全だと学ぶことで快適に感じることがあります。
その例が、子供のときには美味しいと思わなかった、苦いコーヒーや、苦味や渋味をもつ紅茶を、経験とともに美味しいと感じるようになることです。
また、食べ慣れて違和感がなくなり、「安心感のあるいつもの味」になった飲食物は、美味しいと感じる傾向があります。
その逆に、慣れていない味は、いつもとちがう違和感から「美味しいのか何なのかわからない」「まずい」と感じる傾向があります。
では、トワイニングのダージリンのお話に戻ります。
飲み慣れた紅茶とは違う。期待していた味ではないとまずいと感じやすい
yahoo知恵袋に投稿された質問やブログで、日本でトワイニングの紅茶をのんだらまずかった! というお話を見かけます。
スーパーで少し値段が高いトワイニングの紅茶を買って、水道水でいれたら、
イギリス人の夫には不評だった。
薄くてまずい、という。
ロンドンから持ってきたトワイニングの紅茶をいれたら、そちらの紅茶は気に入って夫の機嫌がよくなった。
ティーバックもリーフも味が違うらしい。
参考※yahoo知恵袋 トワイニングの紅茶についての質問
日本版のトワイニングのティーバックが、イギリス版のティーバックと味がぜんぜん違う。
味がぜんぜん違うし香りも弱い。
牛乳をいれたら香りがなくなる。
よく見たら、日本版のトワイニングのティーバックは茶葉の量が2.0g。
イギリス版は2.5gだった。茶葉の量からして違うなんて。
しかも、香りの違いは茶葉の量を変えてもごまかせない。
イギリスで暮らした時期が長かったり、イギリスの紅茶にこだわりがあったりして、イギリス向けに流通しているトワイニングの紅茶を飲み慣れている方なら、日本で流通しているトワイニングの紅茶はまずいと感じるかもしれません。
日本で流通しているトワイニングの紅茶は、イギリスで販売されているものとは品質が違うことがあるためです。
これはダージリンにかぎったことではありません。
Amazonで調べてみると、トワイニングの紅茶に「英国国内専用品」なるものがあるとおり、通販も含めて日本で見かけるトワイニングの紅茶は何種類かあって、内容が違うことがあります。
トワイニング紅茶の○○ならすべて同じ品質、同じ茶葉、ではありません。
イギリス国内で流通しているトワイニングの紅茶を飲み慣れている方なら、日本で品質の違うトワイニングの紅茶を、まずいと感じるのも仕方がないかもしれません。
ただ、通販サイトに投稿されている口コミでは、価格帯を思えば十分美味しいという意見が見られました。
口コミ紹介
トワイニングのダージリンの口コミをいくつか紹介します。
この記事での文章は、通販サイトamazonに投稿された口コミを、適宜省略、リライトしています。
チャック袋入りの「ダージリンエクストラ」の口コミ
ダージリンと呼ばれている茶葉の中にも、ダージリンらしい味がない粗悪品もある中で、トワイニングのダージリンエクストラは値段の割に安定感が優れています。
しばらくジャンナッツのダージリンを飲んでいましたが、トワイニングのダージリンエクストラのほうが美味しく感じます。
※原文は2019年6月16日 投稿された口コミ
どちらかといえば美味しい、まずくはありません。
でも、同じトワイニングでダージリンという名前の、缶入りの茶葉のほうが味と香りとも濃い気がします。
空気が入らなさそうという理由でパウチ入りを選びましたが、缶入りのほうが美味しく感じます。
※原文は2016年12月9日 投稿された口コミ
同価格帯のダージリンの中では十分美味しい。
ダージリンセカンドフラッシュなど、この製品より美味しいと思う紅茶は数多いのですが、値段がぜんぜん違います。
※原文は2016年11月12日投稿された口コミ
トワイニングのビンテージダージリンのほうが、より香り高いのですが、ダージリンエクストラのティーバックと比較すると、こちらのリーフのほうが香り高く美味しいです。
※原文は2018年4月10日投稿された口コミ
トワイニングクオリティビンテージダージリンの口コミ
紅茶としては標準的な価格帯で値段相応の味です。
さらに高価な茶葉では味も香りも良くなります。
※原文は2018年2月3日に投稿された口コミ
特上とまで言いませんが美味しく感じます。
香りもあり、マイルドな味わいです。
ただ、Amazonで買うと値段が高いのが気になります。
※原文は2018年7月8日に投稿された口コミ
トワイニングのクオリティビンテージダージリンを一番気に入って、ここ数年好んでいただいています。
毎日飲めるお値段もいいですね。
マスカットやハチミツや、かすかな花のような香りに、マイルドな苦味。
牛乳をいれると砂糖抜きでも甘みがあって、毎日1杯のおやつの時間に楽しみにしていました。
しかし、生産地のストライキで生産がほぼ止まってしまったと聞いてショック・・・値段も1200円から2900円に・・・もう値段がつり上がってしまって手が届かなさそう。
他のメーカーのダージリンも試しましたが、苦いだけで香りを感じられない紅茶が多くて、替えを見つけるのに苦労しています。
リプトンや日東がいいかな・・・・
※原文は2018年9月19日に投稿された口コミ
とはいえ、まずいという意見もブログや質問掲示板で見られます。好みの問題が大きいようです。

慣れや好みだけの問題だと

もしかしたらそれもあるかもしれないね、ということです。
紅茶については、飲み慣れているかどうかや個人の好みを超えて、美味しさの共通点を考える試みが行われています

その言い方の回りくどさの理由は

やはり、美味しさを感じる基準のあいまいさ。これから紹介する美味しい紅茶の共通点は、あくまで仮説、だと思ってくださいね
美味しいと思える紅茶の共通点とは
紅茶に限らず、飲食物の好みは人によって差があり、誰もが美味しいと感じる紅茶の条件はないようです。
そのことを踏まえて、あえて美味しい紅茶の特徴を考える試みがされています。
美味しい紅茶の条件とは、
・甘みと酸味をもつ
・適切な強さと質の渋みがある
・うまみがあり味がまろやか
・香り
参考※
紅茶 味わいのこつ 理解が深まるQ&A89
著 川崎武志 中野地清香 水野学
もうひとつ参考として、人が好むと考えられている味の特徴を紹介します。
・少数の、強い印象を与える香りや味をもつこと
・単純に何の味と名状しがたい、複雑に混ざりあった味や風味をもち、それが速やかに口の中に広がること
・目立って不愉快な特徴がないこと
・後味のよさ
(唐辛子やミントのような刺激があることも好ましい)
※参考 この本から情報をお借りしています↓
ワイン&チーズとテイスティング術 おいしいパンの見つけ方
著 大和田 聡子
これらのことをふまえて、トワイニングのダージリンが美味しいかどうか、飲んだ感想を書いてみます。
飲んでみた感想
トワイニングのダージリンエクストラを飲んでみました。
まずは茶葉の写真です。
左 トワイニング ダージリンエクストラ
右 シルバーポット ダージリン ブルーミングバレー (価格は購入時点でトワイニングのダージリンエクストラの2倍程度でした)
トワイニングのダージリンエクストラの茶葉は、比較対象の茶葉と比べて
緑色の茶葉が一部残っている
茶葉がひらたいままのものや、ねじれたものなど、形がやや不揃い
茶葉の形が不揃いなことは、良いことではないと言われています。
というのは、形や大きさが不揃いということは、お湯を注いで抽出しているときに、茶葉から味や香りが出てくるペースが不揃いとなり、余計な雑味も出てくるためです。

ただ、それは資料として読んだ本の受け売り。シビアにこだわる方は見てくださいね、という領域のお話です
さきほど撮影したトワイニングダージリンの茶葉を6g使用
350mlの熱湯を注ぎ、4分放置
茶葉を6g使用し、350mlの熱湯を注ぎ、4分放置するという浸出条件では、渋みだけが目立って美味しくないと感じました。
冷めてぬるくなるととくに、渋みが際立ってきて飲みづらく感じます。
このように濃く入りすぎた紅茶はミルクティーにすれば美味しくいただけることがありますが、今回いれたトワイニングのダージリンは乳製品のにおいで紅茶の香りが隠れてしまい、物足りないミルクティーになってしまいました。
入れ方で味はかなり変わり、茶葉を4~5gの間で、熱湯を350ml使用し、4分放置する条件のほうが、香りと渋みのバランスがとれて美味しく感じました。
※紅茶は茶葉を増やして濃く入れれば、渋み、甘み、香りの要素が均等に濃厚になるわけではなく、渋みだけが突出して強く感じられる傾向があると言われています。
飲んだときの甘み、香りについては、比較対象のシルバーポットのダージリンブルーミングバレーのほうが強く出ます。
ただ、値段の違いに比例して明らかに香りが強いかといえば、そうとは思いませんでした。
渋いときの対処
トワイニングのダージリンが渋い、飲みづらいと感じているときは、飲み方や茶葉の量を変えると渋みがやわらいで飲みやすくなるかもしれません。
トワイニングのダージリンに限ったことでなく、紅茶は濃く入れすぎると渋みだけが飛び抜けて強く感じられる傾向があり、口に入れたときの甘みや香りは感じにくくなると言われています。
茶葉の量を減らす、浸出時間を短くする、お湯の温度を下げる、水出しにする、といった方法で渋みは和らぐと思います。
その他のケースの飲み方
買ってみたトワイニングのダージリンが渋み以外の理由でまずいときは、飲み方を変えると抵抗なく飲めるかもしれません。むしろ意外と美味しく感じるかも。
そこで、まずく感じる理由別に対処法を考えてみました。
香りが乏しい。味が薄い。
香りが物足りない、甘みや酸味といった美味しさに必要な味も薄い。だからまずい・・・と感じるときは、入れ方を工夫するか、飲むシチュエーションを工夫するかで美味しく飲めるかもしれません。
まずいれかたについて、紅茶は熱湯でいれると香りや味の成分がより抽出されると言われています。
茶葉が持つ香りや味を浸出するには、お湯が冷めないことが大切です。
ポットでいれるなら、あらかじめポットを温めて、茶葉にお湯を注いだあともティーコジーで保温し、温度を保つ工夫をしてみると、紅茶の味が変わるかもしれません。
ティーバックでも、厚手のマグカップをあらかじめ熱湯で温めておくと、お湯の温度が下がりにくくなります。
ただ、お湯の温度を上げると渋みも強く出てくるので、渋みが強いと感じられるかもしれません。
もし入れ方を変えても美味しく飲めないときは、飲むシチュエーションを選んでみてください。
時間をとってくつろぎ、紅茶の味に集中して味わう場面では、物足りない紅茶に不満が残るかもしれませんが、日常の料理のお供にたっぷりいただくお茶としてなら、物足りなさが気にならなくなるかもしれません。
とにかく合わない。まずい!
この香りや味がとにかく嫌い、不味い。香りの強さや渋みのバランス以前の問題で、とにかく合わないと感じるときは、無理に飲むのはあきらめるのが楽です。
紅茶は飲む以外の用途があります。
入浴剤に使用すると、体臭対策に良いと言われていますし、家庭で作る手軽な燻製のチップ代わりにもなりますよ。
ミルクティーにしてもおいしくない。香りや味がものたりない
ダージリン紅茶はメーカーや収穫された年度によっても味が違いますが、全体的には繊細な香りと渋みが持ち味の紅茶と言われています。
乳製品のこってりとしたにおいや脂肪分と合わせるより、ストレートで香りを楽しむ飲み方に向いているそうです。
これは、トワイニングだからというより、ダージリン紅茶自体の個性の問題になります。
どのような紅茶がミルクティーにして美味しいかは個人ごとに好みがあると思うので一概には言えませんが、もし、「牛乳をいれると香りも味も薄くなって美味しくない」と感じているときは、ダージリン以外の別の茶葉がいいかもしれません。
ミルクティーに向いている紅茶としては、
イングリッシュブレックファーストなどの、ミルクティーにする前提でブレンドされた紅茶があります。